危険なウィルス

疲れが溜まったときや風邪を引くなどの体調不良を感じたときに、くちびるの周りに水泡が出来た経験をお持ちでは無いでしょうか。古来から日本では熱の華、などという風流な呼び名が付けられているほど身近な病気といえます。現在ではヘルペスの名前で広く知られているもので、ウイルスによる感染症の一種です。以前は病院で処方箋を出してもらわないと治療薬を入手することが出来ませんでした。しかし最近では市販薬も登場しています。

ヘルペスの市販薬にはどんなものがある?

ヘルペスの原因となるウイルスにはいくつかの種類があることが知られています。日常生活を送る中で症状に遭遇する可能性があるのは大別すると2種類があることを御存知でしょうか。

まず唇に症状が見られるのが口唇ヘルペス。年少時に子育ての過程で親の唾液などに接触して、子どもの体内に移行感染するのが良く見られます。もうひとつが性器に水泡が発生する性器ヘルペスと言うものになります。こちらは思春期以降の性行為をきっかけに感染が広がる性感染症です。初めて感染したときには高熱や全身倦怠感・筋肉痛など重症化することが珍しくありません。

このうちヘルペスの市販薬で治療することが出来るのは、口唇ヘルペスのみになります。ここで市販薬というのは、薬局やドラッグストアで処方箋なく、薬剤師の説明を受けることを条件に購入し使えるできるという薬のこと。病院やクリニックなどの医療機関を受診して、医師から処方箋の交付を受けることで初めて薬局で購入できる医療用医薬品とは大きく異なる特徴を持っています。

市販薬と言うことは必要に応じて、いつでも購入できることになりますが、口唇ヘルペスの疑いがあればいつでも使えると言うわけではありません。市販されている薬は初めて感染した場面では使用することは認められておらず、再発防止を目的にした場合のみが適応になっているのです。

再発防止というのは、初めて感染以降の再発時に口唇ヘルペスの治療を目的に使用することを前提にしています。しかも再発防止のために使用する場合も、薬局やドラッグストアなどで薬剤師の説明を受けることが条件付けられています。

それではなぜこれほどまでに、市販薬を使用する場合に、口唇ヘルペスだけに再発防止目的だけに使途が限定されているのか。それは口唇ヘルペスに類似する病気もあるからです。この病気の原因菌はウイルスが、くちびるやその周辺の皮膚・顔面の三叉神経などで増殖して水泡やいたみや痒みなどの自覚症状が発生することになっています。ところがくちびるや顔面に類似した症状や、外見を呈する病気はほかにも存在しています。

それは梅毒のような性感染症の場合もあれば、細菌感染による発疹やアレルギー性皮膚炎が発症する可能性もあります。ことほど左様に多彩な原因が存在すれば、対応する治療薬もことなるわけです。細菌感染が原因であれば、抗生物質が配合された軟膏などが有効です。

アレルギー性皮膚炎なら、炎症を沈静化するためにステロイドホルモンが配合された治療薬が効果的です。この場面で治療薬の選択を間違えると、病状が改善されるどころか、反対に悪化する可能性も否定できません。治療薬の効果の方向性が異なるのに、専門家以外の人間が目の当たりにしても、原因が何なのか病名は何なのかを、的確に判断するのは困難です。

これだけ類似した病気に罹患する可能性があるので、初めて感染した場合には、病院やクリニックなどの医療機関を受診して、医師により正確な確定診断を受けて、治療薬を処方してもらうことが前提とされているわけです。

ところで治療薬には内服薬とクリームや軟膏などの外用薬の大きく2種類の選択肢があります。このうち市販薬で認められているのは、クリーム状の種類のみです。錠剤を服用するタイプは、効果も高いですが治療効果が高く、性器ヘルペスにも効果を発揮します。しかし効果が強い反面、副作用のリスクが否定できないので病院の受診が前提になっているのです。

市販薬はヘルペスに効果があるの?

口唇ヘルペスの市販薬には、アクチビア軟膏やアラセナSクリームなどがあります。これらはいずれも第一類医薬品に指定されています。ここで医薬品の種類と意義について確認しておきましょう。病院などの医療機関で処方箋を交付してもらって、薬局で交付のうえ購入することが出来るのは医療用医薬品、病院で処方される薬のことです。これに対して第一類医療用医薬品は、医療用から一般用医薬品に移行して間もない種類で一般での治療実績が少ないものになります。

医療機関での治療に使用されてきたほどなので、治療効果も安全性も確認されているものの、使用法を誤ると副作用のリスクが高くなるので薬剤師の説明を受けることが購入の条件にされているわけです。普通の薬局やドラッグストアのほか、インターネット通販でも購入できます。しかし薬剤師からの説明を受けたことが重要なので、インターネット通販で購入する場合は所定の質問にメールなどで回答し、その旨が確認されないと購入できない仕様になっています。

ところで市販の口唇ヘルペス治療薬は、アクチビア軟膏やアラセナSクリームなどのように外用薬のみです。医療機関を受診したときに処方されることの多い、バルトレックスなどの内服薬とは形状が大きくことなります。両者の違いは薬の形状に違いが見られるだけでなく、配合成分も異なっています。アクチビア軟膏やアラセナSクリームなどの有効成分はアシクロビルになります。
このアシクロビルというのは、人類がはじめて開発に成功したとされる抗ウイルス薬のことです。アシクロビルは体内に吸収されると、ウイルスのDNAの複製を阻害し、増殖を抑制する作用を発揮します。その結果ウイルスの数が減少し水ぶくれやキズ・痒みなどの症状を沈静化させて、病変部位の回復を促進します。アシクロビルにはゾビラックスという内服薬タイプも存在していますが、アシクロビルには身体の内部での吸収性がやや低いという欠点を抱えています。

アシクロビルの体内への移行性の低い点を改善したのが、第二世代の抗ウイルス薬とも評されるバルトレックスです。バルトレックスの有効成分バラシクロビルは、体内で代謝されて始めてアシクロビルに変化するので吸収性に優れています。そのため病院でヘルペス治療のために、処方されるのはバルトレックスが第一選択薬になっているのです。しかしバルトレックスは内服薬のみ、ほかのタイプは販売されていません。 バルトレックスも通販で購入することが可能となっており、通販でバルトレックスを購入しても即日対応される場合があります。
通販を利用される場合は、利用されるサイトの利用規約などを確認してから注文してください。

これに対してアシクロビルは軟膏やクリームなどの外用薬のほか、点眼薬・注射液などバリエーションが非常に豊富な特徴を持っています。ヘルペスウイルスが結膜などに感染した場合はアシクロビル配合の点眼薬が効果を発揮します。また性器ヘルペスで初回感染時で、高熱や激しい全身倦怠感などの重症例ではアシクロビル配合の注射液での治療でないと対応出来ないこともあります。このようにアシクロビルはバリエーションが豊富なので、第一世代の位置づけでありながら現在でも主要な抗ウイルス薬と認識されているのです。

アクチビア軟膏やアラセナSクリームなども、アシクロビルを配合しているほか患部の回復を促進する成分などが配合されているタイプも販売されています。そのため再発した口唇ヘルペスの治療に高い効果を発揮します。再発時はくちびるなどのピリピリした違和感などの前兆症状を、自覚した段階で速やかに塗布を開始することで早期回復を見込めます。