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ヘルペスが後遺症や死に繋がるケースも!「ヘルペス脳炎」とは?

2019年12月26日

ヘルペスウイルス(HSV)が脳内に到達することで炎症をおこすことがあります。これがヘルペス農園とよばれる疾患になりますが、発症の原因となるのはHSV1型かHSV2型に初回感染することか再活性化のいずれかです。発症年齢によりかなり病態が異なり、小児と成人とではかなり炎症の部位がことなるのです。もっとも原因の多くはHSV1型で小児の場合は全脳炎型の経過を辿りますが、成人の場合は大脳辺縁系などの一部の炎症に集中する傾向が強いとされています。

口唇などの病変から中枢神経に感染が波及するルートは、幾つか想定されていて上気道から鼻の奥の嗅覚神経からの経路、血行移動し血液関門を通過する経路、感染した神経から伝達する経路などのいずれかと考えられています。日本国内における年間のヘルペス脳炎の患者数は、300-400人ほどです。

ヘルペス脳炎の症状は年齢や炎症の部位や範囲で左右されることになります。産道感染などが原因になることが多い新生児では発熱や哺乳力低下や元気がない等の症状に初発し、けいれんや肝機能障害や出血傾向、しいては意識障害などが観察されるところです。これに対して成人型のヘルペス脳炎では、急性期の症状として頭痛や発熱・嘔吐・けいれんなどの脳圧亢進状況を示唆するものや、性格変容や意識障害を併発することも。もっともこれらの症状が全て観察されるわけではありませんが、発熱・嘔吐やけいれんなどの中枢神経症状で過去にヘルペスの既往歴がある場合は、ヘルペス脳炎の可能性を念頭に置く必要があります。

発熱や頭痛にけいれん・性格変容など多彩な症状を呈するヘルペス脳炎ですが、疑いが強い場合は一刻も早く治療を開始するべきです。ヘルペス脳炎の治療はゾビラックスなどの静脈注射により、ヘルペスウイルス増殖を抑制することが治療の中心になります。再燃をふせぐためにはゾビラックスの投与量は1kgあたり20mg程度、点滴期間も21日間ほど継続するのが望ましいといえます。

同時にけいれんや意識障害などの症状の緩和のための、脳浮腫緩和などの対症療法も必要になります。ゾビラックスなどの抗ウイルス薬が登場する前は、死亡率も高く小児では70%以上、成人でも30%以上と非常に深刻な脳炎でした。しかし抗ウイルス薬の登場で、致命率は10%程度まで低下したものの、インフルエンザなどに比較すればまだまだ死亡率は高く後遺症がのこることも珍しくないとされています。