• ホーム
  • 失明の危険もある「角膜ヘルペス」って?

失明の危険もある「角膜ヘルペス」って?

2020年01月21日

単純ヘルペスウイルス1型が目に感染を拡大すると角膜ヘルペスを発症する場合があります。単純ヘルペス1型は口唇ヘルペスを引き起こすウイルスと同じもので、普段免疫機能が正常に機能しているときは、顔面の三叉神経に休眠状態で生息しています。三叉神経は目の後ろに位置しておるので、神経経路にそって近接する目の角膜に感染が拡大する場合があるわけです。風邪をひいて発熱して体力が低下していたり、糖尿病や肥満などで免疫力が低下していることなどがきっかけになって、角膜ヘルペスに罹患することがあります。

自覚症状としては涙目や目の痛み・充血や目に異物感を覚えるなどが見られます。涙目や充血・痛みや異物感などは、アレルギー性の結膜炎などよく経験する眼疾患でも見られる症状です。ところが角膜ヘルペスの場合、さらに進展すると視力が低下し失明の危険が有る点に注意が必要です。

人間が対象物を視覚的に正しく認識するには、網膜で像を認識することが重要ですが、その前提として正しく光が屈折することが必須です。角膜には網膜が認識できるように、正しく光を屈折させることが必須です。そのため角膜がダメージをこうむると最悪の場合、失明の危険に直面するとになるのです。

ところで角膜ヘルペスには大きく分けると上皮型と実質型の2種類に分かれます。上皮型は角膜の表面で単純ヘルペスウイルスが増殖していくタイプ。上皮型は患部の状況が樹木が広がっているように見えるので樹枝状角膜炎との異名もあります。これに対して実質型では角膜の内側に、単純ヘルペスウイルスが感染してしまって黒目部分が濁る症状を呈します。炎症を来たしている部分が丸くはれるので円板状角膜炎ともよばれます。

どちらのタイプの角膜ヘルペスも、抗ウイルス薬であるゾビラックスを配合した点眼薬を使用します。ゾビラックスは有効成分にアシクロビルを配合しているのが特徴。ゾビラックスは単純ヘルペスウイルスのDNAの複製を阻害することで繁殖を抑制します。充血や異物感などの症状緩和と沈静化に効果を発揮します。ゾビラックスなどの抗ウイルス薬の登場前は、失明率がたかく日本人の失明原因の主要な疾患と考えられてきたところです。ゾビラックスの登場により失明にいたる確率は大きく低下を見ています。しかし角膜ヘルペスは非常に再発しやすい傾向があるので、涙目や痛み・充血などの症状が出現した都度、しっかり治療して症状の沈静化に努めることが求められます。