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妊娠中にヘルペスができると赤ちゃんに影響はあるのか

2020年02月28日

妊娠中は感染症に対する免疫力が一時的に低下するといわれています。免疫力が高いレベルのままで妊娠期間が経過すると、体内の胎児を免疫機能が異物と認識してしまって、攻撃を加える可能性があるからです。免疫力の低下とヘルペスウイルスの活性化には大きな関係があり、妊娠中に性器ヘルペスや口唇ヘルペスが併発する可能性は高くなります。

ヘルペスウイルスが妊娠中に発症するのは、再発事例であるのがほとんど。また胎児への影響も懸念されるので、ゾビラックスやバルトレックスなどの抗ウイルス薬の投与は行わないのが一般的です。そのため妊娠中に口唇ヘルペスや性器ヘルペスの発症を見ても、患部に刺激を与えない・愛護的に取り扱い二次感染を防ぐなどして免疫力による自然回復を期待します。

妊娠中でも出産が迫ってきた段階で、性器ヘルペスの発症を見た場合には出産時の産道通過時に母体の血液や体液などに大量に浴びることで、このウイルスに感染するリスクが大きくなります。産道感染の可能性が否定できない場合には、自然分娩を諦めて帝王切開による出産を選択する場合もあります。特に産道感染すると新生児の喉の奥にヘルペスウイルス感染による、イボ(乳頭種)が多発し窒息の可能性のある重篤な合併症を併発する可能性があるのです。仮に出産まで無事に済ませた場合でも、新生児へのヘルペスウイルスによる出産後の影響にも対処する必要があります。

出産後に口唇ヘルペスを発症すると、唾液などに新生児が接触することで、感染し体内に移行することがあります。口唇ヘルペスの母子感染自体は珍しい現象ではありません。仮に口唇ヘルペスウイルスが新生児に感染しても、初発症状も出現しないまま経過するほうがむしろ一般的です。しかしながら警戒するべきリスクとして、新生児にヘルペス脳炎が発生する可能性を見据えておく必要があります。

ヘルペス脳炎の単純ヘルペス感染が脳に移行した状態のことで、主に口唇ヘルペスの原因となる、単純ヘルペス1型により引き起こされることが多いとされています。主な症状は頭痛や嘔吐・けいれんや意識障害など、多彩で現在でも死亡するリスクが否定できない病気の一つです。そのため出産後に口唇ヘルペスを発症した場合には、患部が赤ちゃんに接触しないように留意し、特にタオルの共用などは避けることで感染を防ぐ対策をとることが重要です。出産後は抗ウイルス薬の投与は可能ですが、母乳を通じて新生児に移行しないよう注意する必要があります。